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旅先では、なにかと信じられないような出来事が起こりやすい。
それは、単なるカルチャーショックなのか、はたまた私の「ひき」が強いのか・・・。 今日は、イタリア滞在中に起きた出来事の中から、「今更ながら、あれはすごかったよなぁ~」と思う一話を紹介したいと思います。 ------------------------------------------------------------- それは2007年の春のことでした。 ウンブリア州スペッロでのスタージ(研修)を終えた私は、次のスタージ先へ行く前に、友人のいるシチリアに2週間ほど滞在しました。ずっと行ってみたかったシチリアでは、どこへ行っても素敵な人々・面白い出来事に遭遇し、毎日楽しく過ごしていました。私のシチリアの旅は、東岸のカターニアからはじまり、途中一人で小さな町を転々とし、最後に留学前からお世話になっていたReiさんの住む西岸のトラーパニで終わりました。 そしてシチリア滞在最終日。楽しかった日々に後ろ髪をひかれながらも、次のスタージ先であるサルデーニャ島行きの飛行機に乗るべく、トラーパニ空港へ向かいました。 トラーパニからサルデーニャの首都カリアリへ行くには、いくつか方法があるのですが、安いチケットを見つけたので、今回は飛行機を使うことにしました(ちなみにトラーパニ~パレルモ~カリアリで€115.14でした)。但し、トラーパニからカリアリへの直行便はなく、トラーパニからシチリアの首都パレルモまではバスで行くか、トランジットで乗り換えて行くか、ということでした。 チケットの金額としてはバスでも飛行機でも変わりなく、それならば重い荷物を持ってバスから飛行機に乗り換えるよりは、トラーパニで荷物を預けて身軽に行っちゃおう!と思った私は、最終的にトランジットのチケットを買うことに決めました。 さて、忘れもしない5月6日の出発当日。無事トラーパニ空港に着いた私は、チェックインカウンターへ。そこでまず、通常ならばきちんとしたチケットが発行されるはずなのですが、紙の端っこを手でちぎったものにさらさらっと搭乗ゲートを書いた紙を渡されました。 近いとはいえ、簡単なものだなぁ・・・と思いながら搭乗ゲート近くのソファで待っていると、突然後ろから、 「アッローラ、シニョリーナ!アンディアーモ!」(それではお嬢さん、行きましょうか!)」という元気な声が。 いくらイタリア人が陽気だとはいえ、これまでこんな風にくだけた搭乗案内をされたことがなかったので、驚きつつ振り返るとそこには一人のフライトアテンダントの姿が。 「・・・?はい?・・・あの・・・他の乗客は・・・。」 驚く私の姿を見て、好奇心いっぱいの子どものように瞳を輝かせた彼女は、ますます嬉しそうに、こう言いました。 「お嬢さん、乗客はあなただけです。」 「・・・。え、ええええええ~~~~!!!」 あまりの出来事に目を白黒させる私をよそに、空港内のフライトアテンダントは興奮をおさえられないのか皆一様に満面の笑顔(笑!パレルモへのフライトは約1時間ととっても短かったので、小型飛行機で向かうのですが、搭乗口を出ると、普通の乗用車が待機。 運転席からイケメンの(思い出は勝手に美化される)フライトアテンダントが現れ、 「お嬢さん、さあどうぞ。」 小型飛行機の近くで降りるとそのまま階段で機内へ。 またまたイケメンのフライトアテンダントが現れ私の荷物を機体に積むと、なぜか思いきりハグをされ、 「さあ、お嬢さん、お好きな席へどうぞ!」 と嬉しそう。聞けば彼もこれまで働いていて乗客が一人というのは初めてのことだったそう。一人の上に外国人なんて、後にも先にもなかなかないんじゃ・・・。にしても、私より楽しんでるよ。 席に着くと、そのフライトアテンダントの男性は、後方から大きな声で、 「それじゃあ、今から、君だけのために(私に指を指しながら。この辺りがいかにもイタリア人?)、非常事態の説明をするからね。ばっちり聞いていてね!」 普段なら、機内に置いてある雑誌に目をやりながらのながら聞きをしていた私も、「君だけのために」なんて言われたら、きちんと見ないわけにはいきません。そのときは、もうまばたきすらしない覚悟で、「うん、うん」と大袈裟に頷いて理解を示し、笑顔でライフジャケットに追加の空気を送り込むフリをする彼の姿を食い入るように見ていたのでした(笑。 この説明を聞き終えた後は、それこそ異常事態に遭遇した変な緊張と、「私ひとりのために飛行機を飛ばすなんて、もったいなさすぎる!」という思いで少々疲れていた私も、ようやく落ち着きを取り戻し、「私の人生で、こんなことはもう絶対にないだろう。もういいや!とことん楽しんじゃえ!!」という気持ちになっていました。そしてその後はシートベルトをはずして雲の下に沈む夕日とその夕日の紅に染まる美しい雲の絨毯を眺めて一人感動していたのでした。 パレルモに着くと、この1時間限りのプリンチペッサ(お姫様)の魔法は解け、興奮冷めやらぬフライトアテンダントの男性も、現実のお仕事の世界へ(笑。 パレルモから乗り込む乗客は、私がここまで一人で来たことを知る人は一人もいなかったので、一瞬なんだか短い夢を見ていたように思えたけれど、カリアリ行きの飛行機に乗り換えるとき、軽くウインクをして「ようこそおかえり。」と機内へ案内されたのは、私だけ。 #
by junaprile
| 2009-01-09 22:50
| イタリア_旅
新年、あけましておめでとうございます。
2008年は、周りの方からたくさんパワーをいただいた一年でした。 2009年は、なにかしらの形でお返しのできる年になるよう、頑張りたいと思います。 年末は、大学時代の友達と、白川郷、高山、金沢へ行ってきました。 ちょうど私たちが着く何日か前に雪が降ったらしく、雪景色の白川郷に出会うことができました。 とっても寒くて、外はレンタルの長靴を履いて周りましたが、素足で歩く、合掌造りの床の寒いこと!! それでも、東京・横浜ではめったに見ることのできない立派な「つらら」の美しさ(落ちてきたら間違いなく大怪我をしそうな鋭さでしたが)や、世界遺産にもなっている合掌造りの堂々たる姿に、日本の冬を満喫しました。 途中、あまりの寒さに暖を求めて立ち寄った一軒、囲炉裏には既に多くの人が集まっていました。温かいそば茶のサービスや、おしるこをいただくこともできます。 囲炉裏の上にぶら下がっている干し柿は、少し焦げ始めていたけれど、、、これは飾り?? 1月~2月には、ライトアップされるイベントがあるようです。 夜になって、数軒の合掌造りの家から明かりが漏れているだけでも美しかったので、この町全てがライトアップされたら、それは幻想的な景色なんでしょうね。 高山に戻っていただいた、夕飯と朝食、どちらも美味しかった~♪ (もちろん、郷土料理の「朴葉焼き」「飛騨牛」もちょこちょこいただきました♪) 飛騨地方で見られる「さるぼぼ」。「さる」=猿、「ぼぼ」=赤ちゃん、という意味で、禍が去る(猿)、家庭円(猿)満、などと縁起の良いお守りとして大切にされているらしいです。 人力車にも、ちゃっかり乗っていたりして、あちこちで見かけました。 金沢では、町一番の「近江町市場」へ! 私も地元のおばちゃんが値切った(笑、素敵な蟹&海老セットを自宅へ送りました。 どこで買おうかなぁ~とうろうろしていると、活気のある売り場を発見。 「ねぇねぇ、おばちゃん、それで幾らになったの~?」と聞くや否や、 「はい!おじさん!私もそれ一つ~!」とすかさずオーダー♪ 次々に入る注文に、おじさんも少々やけになりつつも、 「ほら、特が三つついてる、一番いいやつなんだよ!」と嬉しそうでした。 市場での買い物は、やっぱり活気があって、気持ちがいいのが一番! この日の金沢は、お天気雨のように時々降る雨風が厳しくて、寒くて寒くて大変でした。 途中、ひがし茶屋街にある、老舗のお茶屋、「志摩」へ。お茶屋遊びは、芸をする方も楽しむ方も、教養と嗜みが必要、とのこと。古い木造作りに、鮮やかな赤や青の色がぴりっと映えていました。 こんなに寒くても、兼六園の梅林では、小さな梅が咲き始めていました。 小さくて黄色い梅の花、この強い風で吹き飛ばされないよう、頑張って。 最後になりましたが、、 今年もどうぞよろしくお願いいたします。 遅々とした更新にも関わらず、毎日遊びにきてくれるみなさん、ありがとうございます! みなさんに、たくさんの楽しい出会いがありますように♪ #
by junaprile
| 2009-01-01 16:30
| 日本_旅
みなさん、お久しぶりです! 相変わらずのゆっくり更新で、気づいたらもう2008年も終わりですね。 私は、新しい仕事にも慣れ、新しい出会いにも恵まれ、大変なこともありつつも 楽しい毎日を送っています。 日本では、カップルのためのイベントも多いクリスマスですが、本来イタリアでは 「クリスマスは家族で、パスクワ(復活祭/イースター)は好きな人と」という言うように、 クリスマスは家族でお祝いをする日です。 そんなわけで、我が家でも昼ごろから妹と二人でクリスマスディナーを準備して、 久し振りに家族団欒の楽しいクリスマスを過ごしました。 私が食事担当、妹がケーキ担当。 メインは皆からのリクエストにより、ローストチキンに挑戦しました。 まずは、スプマンテでかんぱーい!そして・・・ ★2008年クリスマスメニュー★ Antipasto前菜 ・Bruschette ブルスケッタ (pomodorini e oregano,funghi sotto olio,melanzane sotto olio, zucchine sotto olio オレガノ風味のプチトマト、きのこのオイル漬け、なすのオイル漬け、ズッキーニのオイル漬け) ・Olive verdi 緑オリーブ ・Formaggio gorgonzola ゴルゴンゾーラチーズ Primo piatto 第一の皿 ・Zuppa di lenticchie レンズ豆のスープ Secondo piatto 第二の皿 ・Pollo arrosto ローストチキン contorno 付け合わせ ・Asparagi e spinaci grigliati アスパラとほうれん草のグリル ・Pure' di patate affumicata 燻製したじゃがいものピューレ Dolce デザート ・bûche de noël ブッシュ・ド・ノエル 時間もあまりかけられないし、ブルスケッタに載せた具のオイル漬けは、家にあった市販の瓶詰めと、プチトマトに軽く塩をして、ドライオレガノとオリーブオイルで和えたものにしました。 ちなみにブルスケッタは、パンを7mm位の厚さに切って、オーブンで軽く両面を焼き、表面ににんにくをすりつけた後に好きな具を乗せたものです。レバーペーストやパプリカのオーブン焼きなどを載せても♪ とっても美味しくて大きなパンもあっという間になくなります。 レンズ豆のスープは、生ハムの皮の部分とローストチキンの首骨?の部分で出汁をとってコクをだしています。 ローストチキンは、中に生パン粉と合挽肉、卵、香味野菜、色々ハーブを混ぜて詰め、180℃に温めたオーブンにいれ、時々肉汁を全体にかけながら焼いていきます。油の混ざった肉汁をかけながら焼くことで、皮はパリッと、中はジューシーに♪ そして今回、私の一押しでもあり、家族にも一番好評だったのが、付け合わせのじゃがいものピュレ。これは昨年のイタリア生活で習ったレシピ(カンパーニア州の”オアシス”)で、リストランテの家族も、私も大好物です。蒸かしたじゃがいもを燻製し、(チップがなかったので緑茶の葉と色々ハーブや黒こしょうの粒などをいれました)牛乳で煮て、バターやパルミジャーノでコクを出し、ミキサーにかけたもの。目の前にあると、ついついスプーンに手が出る、危ない”逸品”です。 最後のデザートは、妹担当。ココアのスポンジ生地に、甘さ控えめの生クリームでブッシュ・ド・ノエル。可愛いサンタが一生懸命木を切っているのが、微笑ましい~。(最初の写真です) また先週は、急遽知り合いの方にパネットーネ作成を頼まれて、日々試作を繰り返しながら、なんとか10個作ってお届けしました。ひとつ400g近くあったパネットーネ10個は、かなり重かった!でもいい経験でした。 ちなみにパネットーネは、バターと卵がたくさん入ったリッチな生地にラム酒漬けのオレンジピールなどを入れた、クリスマス当日まで毎日少しずつスライスして食べる、イタリアの伝統菓子です。 パネットーネは焼きあがった後、つぶれないように、シフォンケーキのように逆さまに吊るしておきます。 ラッピングして、イタリアカラー(しかもクリスマスカラー)のリボンをかけていってらっしゃーい! みなさんも、素敵なクリスマスをお過ごしください♪ #
by junaprile
| 2008-12-24 02:20
| 日本でイタリア!
やっと、再出発です。 今月に入ってから、新しいお仕事を始めています。 メールや電話や家族への伝言等(笑で、エールをくれた皆さん、 本当にありがとうございます。 イタリアから帰国してまだ一年経っていないことに気づいて、驚きました。 365日、世界も私も私の周りでも、色々なことがあった一年でした。 人生って、何が起こるか、いつ終わるか分からない、と改めて思った今日この頃です。 Devi essere felice'(いつも幸せに)、 そういう穏やかな心を、いつももっていたいです。 #
by junaprile
| 2008-11-22 19:48
| お知らせ
朝晩はすっかり涼しくなって、もう冬はそこまできていますね。
今、少しずつお世話になった方や応援してくださっている皆さんにご連絡しているところですが、 実は、先日鎌倉のレストランを辞めました。 応援してくださった皆さんや、足を運んでくださった皆さんには、 残念な結果になり、本当にごめんなさい。 今回のことに至った背景には、色々ありますが、 自分が自分自身のことを知らなすぎたことも一つの原因だったと思っています。 もう一度、じっくり考え直したいと思います。 短い間でしたが、気持ちの面でも技術の面でも、たくさん学ばせていただきました。 お世話になった皆さんに、改めて、御礼申し上げます。ありがとうございました。 今後のことについては、また決まり次第、ブログにも書いていきたいと思います。 これからも、どうぞよろしくお願い致します。 #
by junaprile
| 2008-10-03 10:50
| 私のこと
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