世の中は、どうしてこんなに複雑にできているんだろうと、思うことがある。
宇宙があって、その中に地球があって、生命が生まれて、それらが言葉をもっていて。
それだけで、すごいことなのに。
実はこれが、全部夢の中の出来事なんじゃないかと思うくらい、奇跡のようなことなのに。
人はどうして、満たされないんだろう。
自分たちが手を加えて、複雑にすればするほど、苦しいことも増えていくのに。
どうして人は、生きていることだけで幸せと思える道を、自ら閉ざしてしまったのだろう。
物語やニュースで、悲しい出来事、事件を立て続けに聞いてしまったとき、
それが自分の心にあまり余裕のないときだったりすると、
そのたくさんの悲しい感情ややるせなさが、
恐ろしい勢いで自分の中に入ってきてしまうことがある。
別に、自分がその全ての悲しさを味わったわけでもないのに、
頭の後ろが痛くなるくらい、辛い気持ちになる。
こんな風に考えても、苦しいだけだから、考えたくないのに、
時々ふと、思う。
複雑な世の中の恩恵を受けて、人生を謳歌している自分がいるのに、
その代償を払いたくない、と考える自分が、ずるいような気がする。
そういうときは、どこか遠くへ行ってしまいたくなる。
そして、最後にはゆっくりと目をとじて、
気付いたときには空がゆっくり白み始める。
昨日考えていたことが、急に馬鹿らしく思えて、
また一日が始まる。