去年の今頃は、カンパーニア州はヴァレサッカルダにある"Oasis Sapori Antichi"というレストランでの生活が1ヶ月すぎるところでした。
このレストランでは、手打ちパスタはシェフたちのおばあちゃんと、その妹の手作り。厨房の地下に作られた、パスタのお部屋で二人でおしゃべりをしながらお昼までの時間ですごい量のパスタを作るのでした。
初めのうちは、パスタ作りにも結構参加していましたが、私もいろいろ任されるようになり厨房での戦力となると、パスタをつくっているわけにはいかなくなり(笑、みなの仕事が開始する前に始まるパスタ作りにあわせて1時間ほど早起きするか、どさくさにまぎれてパスタを手伝うか、という感じでした。そんな私の様子を知って、よく「jun、私たちとパスタを作りなさいっ」とわざと大きな声で命令(シェフもおばあちゃんには多少逆らえないところがあるのです。なにせ、マンマですので。)することもありました。大抵は、「何言ってるのよ!お母さん!junはここでこれをやってもらうのよ!」という感じで却下されてしまいましたが。。。
おばあちゃんたちの会話は、聞いているだけでもなんだかほのぼのしていて、ここでパスタを作る時間がとても好きだったことを、よく覚えています。二人の、長い歴史が刻まれた目で見つめられるとき、その目のずーっとずっと奥から優しさが溢れてきて、どーんと身を任せてしまいたいような、そんな気分になりました。
今日も二人は朝からパスタを作っているのかなぁ~。